Antigravity CLI とは — Gemini CLI の後継、Google の Coding Agent「Antigravity」の全体像

Google の Antigravity は、デスクトップアプリ(Agent Manager)・CLI(agy)・IDE 拡張・SDK からなる Coding Agent プラットフォーム。2026年5月の I/O で 2.0 と CLI が登場し、Gemini CLI は6月18日で終了。無料枠があり、Google AI Pro($20/月)に同梱。Gemini だけでなく Claude も選べる。英語の公式情報を日本語で一枚に。

公開
読了
約8分
製品
Antigravity

Antigravity(アンチグラビティ)は Google の Coding Agent プラットフォームです。2025年末にデスクトップアプリとして登場し、2026年5月19日の Google I/O で Antigravity 2.0(デスクトップ)・Antigravity CLI(agy)・SDK が発表されました。同時に Gemini CLI は Antigravity CLI に移行し、6月18日で個人・無料ユーザ向けの提供を終えています。「Gemini CLI を使っていたけど、その後どうなったの?」という人に向けて、公式情報から全体像を整理します。

30秒でわかる Antigravity

項目内容
提供元Google
種類Coding Agent プラットフォーム(Agent Manager を中心に、CLI・IDE 拡張・SDK)
動く場所デスクトップアプリ(Antigravity 2.0)/ ターミナル(agy)/ IDE 拡張 / SDK / Gemini API
料金無料枠あり。Google AI Pro $20/月、AI Ultra $100(5x)/ $200(20x)に同梱。組織は Google Cloud 従量課金
モデルGemini 3.5 Flash(既定)/ 3.1 Pro / Claude Sonnet・Opus / オープンモデル
拡張AGENTS.md、スキル、フック、プラグイン、MCP、サブエージェント
ログの保存先~/.gemini/antigravity-cli/brain/(transcript.jsonl、保持の記載なし)

Gemini CLI から Antigravity CLI へ。2026年5月〜6月の移行タイムライン
Gemini CLI から Antigravity CLI へ。2026年5月〜6月の移行タイムライン

Gemini CLI の後継として

Google は2026年5月19日、開発者ブログで「Gemini CLI を Antigravity CLI へ移行する」と発表しました。要点:

  • 2026年6月18日で、Google AI Pro / Ultra および無料の Gemini Code Assist ユーザ向けの Gemini CLI はリクエストの処理を停止。新規インストールも同日で終了
  • Gemini Code Assist Standard / Enterprise のライセンスを持つ組織は、有料 API キー経由で Gemini CLI を使い続けられる
  • 引き継がれた機能: Agent Skills、Hooks、Subagents、Extensions(Antigravity ではプラグイン)。公式は「当初は1対1の機能互換ではない」と明言
  • 移行コマンド agy plugin import gemini で、拡張・設定・認証状態を取り込める

Antigravity CLI 自体は Go で書き直され、「Antigravity 2.0 と同じサーバ側ハーネスを、最も軽い形でターミナルから使う」入口と位置づけられています。

# インストール(macOS / Linux)
curl -fsSL https://antigravity.google/cli/install.sh | bash
# Windows PowerShell
irm https://antigravity.google/cli/install.ps1 | iex

agy                          # 対話 TUI(Google アカウントでログイン)
agy -p "テストを直して"        # ヘッドレス
agy -c                       # 直近の会話を再開
agy inspect                  # 読み込まれる設定・スキル・フック・MCP を一覧
agy plugin import gemini     # Gemini CLI からの移行

5つの入口 — デスクトップが本体、CLI は最も軽い入口

入口内容
Antigravity 2.0(デスクトップ)本体。Agent Manager で複数エージェントを非同期に管理。プロジェクト、worktree、cron スケジュールの定期タスク、音声入力(Gemini Audio)
CLI(agy)ターミナルから同じハーネスを使う。/agent でバックグラウンドのサブエージェントを起動
IDE 拡張エディタから Antigravity エージェントを呼ぶ
SDK(preview)Gemini と共最適化されたハーネスで自作エージェントを組む
Gemini API / Google Cloudプログラムから呼ぶ。組織は Gemini Enterprise Agent Platform 経由

Antigravity の入口。デスクトップの Agent Manager を中心に、CLI・IDE 拡張・SDK・API
Antigravity の入口。デスクトップの Agent Manager を中心に、CLI・IDE 拡張・SDK・API

2026年の主な機能(I/O 2026 時点)

Gemini 3.5 Flash と、Claude も選べるモデル切替

既定モデルは Gemini 3.5 Flash。Google は「コーディング・エージェント系ベンチマークで Gemini 3.1 Pro を上回り、通常4倍・Antigravity 上では一時的に12倍速い」としています。加えて **Claude Sonnet / Opus、オープンモデル(GPT-OSS 120B 等)**をプランに応じて /model で切り替えられます。Google 製の CLI で Anthropic のモデルが選べるのは、この製品の際立った特徴です。

非同期サブエージェントとエージェントチーム

CLI からは /agent refactor "…" のようにバックグラウンドでサブエージェントを起動し、前面の対話を止めずに大規模リファクタや調査を走らせられます。I/O では複数エージェントが協調して OS を組み上げる「エージェントチーム」のプレビューも示されました。

スキル・フック・プラグイン・MCP

  • AGENTS.md: リポジトリ直下の指示書
  • スキル: .agents/skills/(プロジェクト)/ ~/.gemini/antigravity-cli/skills/(共通)。Android / Modern Web / Firebase / Science(30以上の生命科学 DB) の公式スキルバンドル
  • フック: pre-tool-call / post-file-edit / session-start などの JSON ライフサイクル
  • MCP: mcp_config.json で stdio / HTTP サーバを接続

統合クォータと料金階段の変更(2026年5月19日)

Flash と Pro で別だった利用上限を1つの上限に統合し、API 価格比でトークンを自由に配分できるようになりました。同時に、$20 → $250 だった料金の崖を $20 → $100 → $200 の階段に変更。AI クレジットは基本プランから外れ、超過分の仕組みになりました。

全項目スペック表(2026年8月時点)

シリーズ全製品を同じ項目で並べています。横断比較はランキング記事へ。

項目Antigravity
基本
提供元Google
初出2026-05-19(I/O。Gemini CLI の後継)
CLI のライセンス非公開(バイナリ配布。GitHub はドキュメントと issue)
インストールcurl / PowerShell(agy)
対応 OSmacOS / Linux / Windows
入口
ターミナル○(agy)
IDE 拡張○(IDE 拡張)
デスクトップアプリ○(Antigravity 2.0 = Agent Manager)
Web—(AI Studio Build から書き出し)
スマホ—
GitHub 連携記載なし
チャット連携—
モデル
既定モデルGemini 3.5 Flash(3.1 Pro も)
他社モデル可(Claude Sonnet / Opus、オープンモデル。プランにより)
拡張
指示ファイルAGENTS.md
自動メモリ記載なし
スキル○(.agents/skills/、Android / Web / Firebase / Science の公式バンドル)
フック○
プラグイン○(旧 Gemini CLI 拡張を移行)
MCP○(mcp_config.json)
サブエージェント○(/agent で非同期サブエージェント、エージェントチーム preview)
ワークツリー分離○(Antigravity 2.0)
プランモード○
ヘッドレスagy -p
定期実行○(Antigravity 2.0 の cron スケジュール)
ブラウザ操作○(ブラウザエージェント)
SDKAntigravity SDK(preview)、Gemini API 経由
料金
個人の最低料金無料枠あり。Google AI Pro $20/月(同梱)
上位プランAI Ultra $100(5x)/ $200(20x)、Google Cloud 従量課金
API 従量課金可(ANTIGRAVITY_API_KEY / Gemini API)
データ
学習利用(個人)記載なし(Google のプライバシー設定に準ずる)
学習利用(法人)Google Cloud 経由は商用条件
ログの行方
ログの保存先~/.gemini/antigravity-cli/brain/<会話ID>/…/transcript.jsonl
ログの保持記載なし
ログの書き出し/export
SHISHO 取り込み△ 汎用(/export → shisho push)。専用パーサ準備中

料金 — 何を払えば使えるか

プラン月額(USD)Antigravity
無料$0○ 個人向けの無料枠(上限あり)
Google AI Plus—○ 軽量
Google AI Pro$20○ 基準となるプラン
Google AI Ultra(5x)$100○ Pro の5倍の枠。2026-05 新設
Google AI Ultra(20x)$200○ Pro の20倍(旧 $250 から値下げ)
Google Cloud従量課金○ 組織向け(Gemini Enterprise Agent Platform)

シリーズの中で無料枠で本格的に使える唯一の製品です。Google One の AI プランに同梱されるため、Gemini アプリを有料で使っている人はそのまま使えます。

料金プランの階段。無料枠から始まり、Pro $20、Ultra $100 / $200
料金プランの階段。無料枠から始まり、Pro $20、Ultra $100 / $200

データの扱い

Antigravity CLI の公式ドキュメントには、学習利用の可否や保持期間の明記が(2026年8月時点では)ありません。個人利用は Google アカウントのプライバシー設定(Gemini のアクティビティ設定)に、組織利用は Google Cloud の商用条件に準じます。初回起動時にデータ収集への同意が求められます。企業利用では Google Cloud 経由の契約を前提に確認するのが安全です。

ログはどこに残るのか

会話は ~/.gemini/antigravity-cli/brain/<会話ID>/.system_generated/logs/ に transcript.jsonl(要約版)と transcript_full.jsonl(完全版)として保存されます。ディレクトリ名は「Antigravity」ではなく .gemini の下にある点に注意。会話はフラットに並び、作業ディレクトリごとにスコープされます。

agy -c で直近を再開、/resume で一覧から選択、/fork で分岐、/export で書き出し。保持期間・自動削除は記載がありません。

Antigravity のログを SHISHO に残す

SHISHO × ANTIGRAVITY

Gemini CLI 時代の記録も、これからの記録も、1か所に

当社の SHISHO は、Coding Agent との対話を取り込み、要約・タグ付けして検索できる形で残す AI ノートアプリです。Gemini CLI には専用パーサがあり、Antigravity CLI は /export の書き出しや transcript.jsonl を shisho push で取り込めます(専用パーサは準備中)。

Claude Code と Codex は専用パーサで自動取り込み。Gemini と Claude を併用しても、記録は SHISHO の1か所に集まります。無料プランから。

SHISHO を見る →
npm install -g shisho && shisho login
shisho push ~/.gemini/antigravity-cli/brain/<会話ID>/.system_generated/logs/transcript_full.jsonl

出典: Google Developers Blog — Transitioning Gemini CLI to Antigravity CLI、Antigravity Blog — Google I/O 2026、Changes to Antigravity Plans、Antigravity CLI Docs — Conversations、GitHub google-antigravity/antigravity-cli(いずれも 2026年8月 時点)。料金・仕様は変更される可能性があります。

よくある質問

Antigravity は無料で使えますか?

使えます。個人向けの無料枠があり、上限を上げたい場合は Google AI Pro(月額20ドル)、AI Ultra(月額100ドル=Pro の5倍、200ドル=20倍)に同梱されます。組織向けには Google Cloud 経由の従量課金もあります。

Gemini CLI とは何が違いますか?

Antigravity CLI は Gemini CLI の後継です。2026年6月18日で Gemini CLI は個人・無料ユーザ向けの提供を終了し、`agy plugin import gemini` で設定・拡張・認証を引き継げます。スキル・フック・サブエージェント・拡張(プラグイン)は引き継がれましたが、公式に「当初は1対1の機能互換ではない」とされています。Gemini Code Assist の企業ライセンスがある組織は Gemini CLI を使い続けられます。

Claude Code や Codex と何が違いますか?

最も大きな違いはモデルの選択肢です。Antigravity は Gemini 3.5 Flash / 3.1 Pro に加えて Claude Sonnet / Opus、オープンモデルを同じ CLI から `/model` で切り替えられます。また Agent Manager(デスクトップアプリ)で複数エージェントを非同期に走らせる設計が中心で、CLI はその「最も軽い入口」と位置づけられています。

会話ログはどこに保存されますか?

ローカルの ~/.gemini/antigravity-cli/brain/ 配下に会話 ID ごとのフォルダが作られ、.system_generated/logs/ に transcript.jsonl(および transcript_full.jsonl)として保存されます。`agy -c` で直近の会話を再開、/resume で一覧から選べます。保持期間や自動削除は公式ドキュメントに記載がありません。

更新履歴

  • 初版公開(2026年8月時点の公式情報に基づく)