Grok Build とは — 10週間で v1.0 に達した xAI のオープンソース Coding Agent、2026年の全体像

xAI の Grok Build は、2026年5月にベータ公開、7月に Apache 2.0 でオープンソース化、8月7日に v1.0 に到達した最後発のターミナル型 Coding Agent。最大8並列のサブエージェント、git worktree 分離、SuperGrok $30/月から。英語の公式情報を日本語で一枚に。全項目スペック表つき。

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Grok Build

Grok Build は xAI(SpaceXAI)が提供する Coding Agent です。2026年5月14日に SuperGrok Heavy 向けの早期ベータとして登場し、5月25日に SuperGrok / X Premium+ 全体へ開放、7月15日に Apache 2.0 でオープンソース化、8月7日に v1.0 — と、約10週間でおよそ100回の更新を重ねて正式版に達しました。Claude Code・Codex に続く「3社目のターミナル型 Coding Agent」として、何が同じで何が違うのかを公式情報から整理します。

30秒でわかる Grok Build

項目内容
提供元xAI(SpaceXAI)
種類自律型 Coding Agent(ターミナル TUI / ヘッドレス / ACP)
動く場所ターミナル(macOS / Linux / Windows)。ACP 経由でエディタに組み込み可
料金SuperGrok $30/月 または X Premium+ $40/月。SuperGrok Heavy $299/月。API キー従量課金も可
モデル既定 grok-4.6。/model で切替、config.toml でカスタム・ローカル推論も
拡張AGENTS.md、スキル、プラグイン(マーケットプレイス)、フック、MCP、サブエージェント
ライセンスApache 2.0(GitHub xai-org/grok-build、Rust 製)
ログの保存先~/.grok/sessions/(保持期間の記載なし)

ベータから v1.0 まで約10週間。5月の登場から8月の正式版までの時系列
ベータから v1.0 まで約10週間。5月の登場から8月の正式版までの時系列

「並列」を前面に出した設計

Grok Build が他の2製品と最も違うのは、最大8つのサブエージェントを同時に走らせることを最初から売りにしている点です。各サブエージェントは git worktree で分離されたリポジトリのコピーで作業するため、並行して別のファイルを触っても衝突しません。

公式が示す基本の流れは Plan → Search → Build:

  1. Plan: 複雑なタスクではまず計画モードに入り、手順を確認・コメント・書き直してから実行
  2. Search: コードベースと Web を検索して文脈を集める
  3. Build: 編集・コマンド実行・検証。必要に応じてサブエージェントに分担

TUI は「マウス操作できるフルスクリーン」を謳い、複数タブのセッション、/fork による会話の分岐、/rewind によるファイル状態の巻き戻しを備えます。

# インストール(macOS / Linux)
curl -fsSL https://x.ai/cli/install.sh | bash
# Windows PowerShell
irm https://x.ai/cli/install.ps1 | iex

grok                      # 対話 TUI
grok -p "テストを直して"   # ヘッドレス(--output-format streaming-json も可)
grok inspect              # 読み込まれる設定・スキル・フック・MCP を一覧

最大8つのサブエージェントが、それぞれ git worktree で分離された作業コピーを持つ
最大8つのサブエージェントが、それぞれ git worktree で分離された作業コピーを持つ

入口 — ターミナル中心、エディタは ACP で

入口内容
ターミナル TUI本体。マルチタブ、マウス操作、Markdown レンダリング、ダッシュボード要約(v1.0)
ヘッドレス-p フラグ。スクリプト・CI・自動化に組み込む
ACP(Agent Client Protocol)エディタや自作ボットに組み込むためのプロトコル。公式の IDE 拡張は提供せず、ACP 対応クライアントから使う
API キーXAI_API_KEY を設定すればサブスクなしで従量課金

Claude Code(5入口)・Codex(7入口)に比べると、公式の入口は意図的に少ない構成です。その代わり CLI がオープンソースなので、コミュニティ製のデスクトップシェルや VS Code 拡張が早くも登場しています。

2026年の主な機能(v1.0 時点)

オープンソース(2026年7月15日)

エージェントループ(文脈の組み立て・応答の解析・ツール呼び出しの振り分け)、コード操作ツール、TUI、拡張システム(スキル・プラグイン・フック・MCP・サブエージェント)がすべて公開されています。自前でビルドし、config.toml でローカル推論に向けることも可能です。

AGENTS.md・スキル・プラグイン・フック・MCP

Claude Code / Codex と同じ構成要素をそろえ、grok inspect で「いま何が読み込まれているか」を一覧できます。プラグインはマーケットプレイスから導入。

セッション管理

--resume / -c で再開、/fork で分岐、--worktree で分離、/rewind で巻き戻し、grok export で Markdown 書き出し。セッションにはファイルのスナップショットまで含まれます。

モデル

既定は grok-4.6。/model で切り替え、-m でヘッドレスにも指定可。専用の軽量モデルやカスタムモデルも設定できます。

全項目スペック表(2026年8月時点)

シリーズ全製品を同じ項目で並べています。横断比較はランキング記事へ。

項目Grok Build
基本
提供元xAI(SpaceXAI)
初出2026-05-14(ベータ)/ 08-07(v1.0)
CLI のライセンスApache 2.0(GitHub xai-org/grok-build、Rust 製)
インストールcurl / PowerShell / ソースビルド
対応 OSmacOS / Linux / Windows
入口
ターミナル○(TUI)
IDE 拡張—(ACP でエディタに組み込み)
デスクトップアプリ—
Web—
スマホ—
GitHub 連携MCP 経由
チャット連携—(ACP で自作ボット)
モデル
既定モデルgrok-4.6
他社モデル可(config.toml でカスタム・ローカル推論)
拡張
指示ファイルAGENTS.md
自動メモリ記載なし
スキル○
フック○
プラグイン○(マーケットプレイス)
MCP○
サブエージェント○(最大8並列)
ワークツリー分離○(--worktree、サブエージェントごと)
プランモード○
ヘッドレスgrok -p(--output-format streaming-json)
定期実行記載なし
ブラウザ操作—(Web 検索はあり)
SDKACP / ヘッドレス JSON 出力
料金
個人の最低料金SuperGrok $30/月(X Premium+ $40 でも可)
上位プランSuperGrok Heavy $299/月($99 導入価格)
API 従量課金可(XAI_API_KEY)
データ
学習利用(個人)記載なし(xAI のプライバシー設定に準ずる)
学習利用(法人)記載なし
ログの行方
ログの保存先~/.grok/sessions/(作業ディレクトリごと、スナップショット込み)
ログの保持記載なし(手動 grok sessions delete)
ログの書き出しgrok export(Markdown)
SHISHO 取り込み△ 汎用(grok export → shisho push)。専用パーサ準備中

料金 — 何を払えば使えるか

プラン月額(USD)Grok Build
X Premium+$40○(X のサブスクに同梱)
SuperGrok$30○(Grok 単体のサブスク)
SuperGrok Heavy$299($99 導入価格)○ 上位モデル・上限拡大
API キー従量課金○ サブスクなしで利用

「X(旧 Twitter)の Premium+ に入っていれば使える」のは Codex の「ChatGPT Plus に入っていれば使える」と同じ構造です。Grok 単体なら SuperGrok $30 が最安で、Claude Code の Pro $20、Codex の Plus $20 より $10 高い設定です。

料金プランの階段。SuperGrok $30 が最安、X Premium+ にも同梱
料金プランの階段。SuperGrok $30 が最安、X Premium+ にも同梱

データの扱い

Grok Build 自体の公式ドキュメントには、学習利用や保持期間の記載が(2026年8月時点では)ありません。CLI は「コードは API 呼び出し以外でマシンから出ない」ローカルファースト設計を掲げており、オープンソースなので実際の送信内容はソースで確認できます。モデル側(xAI API / Grok)のデータ方針は xAI のプライバシーポリシーに準じます。企業利用では、この「明記なし」を確認事項として扱うのが安全です。

ログはどこに残るのか

セッションは ~/.grok/sessions/ に作業ディレクトリごとに保存され、プロンプト・応答・ツール呼び出しに加えてファイルのスナップショットを含みます(/rewind の巻き戻しに使われる)。grok --resume で再開、grok export <id> で Markdown 書き出し、grok sessions delete <id> で削除。

ほかの製品との比較はランキング記事のログの行方にまとめています。

Grok Build のログを SHISHO に残す

SHISHO × GROK BUILD

ツールをまたいで、設計の記録を一か所に

当社の SHISHO は、Coding Agent との対話を取り込み、要約・タグ付けして検索できる形で残す AI ノートアプリです。Grok Build は最後発のため専用パーサは準備中ですが、grok export で書き出した Markdown や JSONL を shisho push で取り込めます。

Claude Code と Codex は専用パーサで自動取り込み。3製品を併用しても、記録は SHISHO の1か所に集まります。無料プランから。

SHISHO を見る →
npm install -g shisho && shisho login
grok export <session-id> session.md   # Markdown 書き出し
shisho push session.md                 # SHISHO に取り込み

出典: xAI — Introducing Grok Build、xAI — Grok Build is Now Open Source、Grok Build 公式ドキュメント(overview / sessions)、GitHub xai-org/grok-build、Grok Build Changelog(いずれも 2026年8月 時点)。料金・仕様は変更される可能性があります。

よくある質問

Grok Build は無料で使えますか?

CLI 本体は Apache 2.0 のオープンソースで無料ですが、既定のモデル(grok-4.6)を動かすには SuperGrok(月額30ドル)か X Premium+(月額40ドル)のサブスクリプション、または xAI API キーによる従量課金が必要です。

Claude Code や Codex と何が違いますか?

構成要素(AGENTS.md・スキル・プラグイン・フック・MCP・サブエージェント)はほぼ同じ設計です。違いは、CLI 全体がオープンソースで自前ビルド・ローカル推論に向けられること、最大8並列のサブエージェントを git worktree で分離する並列実行を前面に出していること、そして入口がターミナル中心(公式の IDE 拡張やスマホアプリはなく、ACP でエディタに組み込む)ことです。

セッションのログはどこに保存されますか?

ローカルの ~/.grok/sessions/ に作業ディレクトリごとに保存され、プロンプト・応答・ツール呼び出し・ファイルのスナップショットを含みます。grok --resume で再開、grok export で Markdown 書き出し、grok sessions delete で削除できます。自動削除や保持期間は公式ドキュメントに記載がありません。

Windows で使えますか?

使えます。macOS / Linux は curl、Windows は PowerShell のワンライナーでインストールでき、設定ファイルは %USERPROFILE%\.grok\config.toml に置かれます。

更新履歴

  • 初版公開(2026年8月時点の公式情報に基づく)